うにゃにゃ通信

日本近現代史系公開めも書き

森喜朗発言の本質は日本社会の根本的な問題そのもの。

「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」「みんなわきまえておられて」という森喜朗氏の発言だが、これは日本の社会や組織の特質や問題に関連している。

長老(男性の高齢者)が権力の頂点に立つピラミッド構造。会議の本質、問題や決めるべきことより、皆が長老を向いてシャンシャンと話を進めることを優先させるという本末転倒な目的意識。

最高の結果を目指すのではなく、長老にお喜びいただくことを優先させる社会。

なぜ日本社会がこうした構造になったのか、雑な推測だが、明治以降の近代化の過程で、村の自治組織のあり方が天皇制とつながって日本社会全体に拡大してしまったのではないか。敗戦でその構造が壊れるかと思いきや、天皇制は温存されて社会構造は大きく変わらず、さらに高度経済成長という状況下で「何も考えずがむしゃらに頑張ってさえいれば幸せになれる」という妙な自信が根付き、さらに強固なピラミッド構造化し、バブル後も生き残って今に至る。

女性蔑視というよりも、男性>女性、高齢>若齢というヒエラルキー社会を無自覚に全肯定した思考そのものが世界中の批判を浴びたのであって、それを変えるのであれば日本社会が根本から変わらなくてはならない。高齢男性は若齢女性をリスペクトし、若齢女性がその才能を充分に発揮できるような社会にならないと。

たとえば、広瀬すずちゃんが総理大臣になるぐらいの社会に。

追記2021-03-11 09:58:以上のことを考えると、この国は弱い者にあふれている。