うにゃにゃ通信

日本近現代史系公開めも書き

ドラマ「チア☆ダン」に込められたメッセージ

民放の娯楽系ドラマには、ときどき、はっとさせられる。娯楽なのに、すごく現代的なメッセージを、ぶちこんでくることがある。

いま放送中のドラマ「チア☆ダン」、おととい7月20日放送(第二回)の一節。

山本舞香演じる柴田茉希が、「人にあわせて踊るとか、大嫌い」と言うと、石井杏奈演じる桐生汐里が「わかる。私も嫌い」と言う。それに土屋太鳳演じる藤谷わかばが「えっ!」と驚いて汐里を見ると、汐里は「個性を殺して、みんなに合わせるとか、大嫌い」「チアダンスには向いてないって、何度も言われた」と続ける。

かつて、たとえば1970年頃に一世を風靡した学園ドラマでは、こうはならない。「みんなのために」全力でプレーする姿が感動を呼んだのだが、いまじゃそんなの、息苦しくて。同調圧力に押しつぶされそうになっている若い世代に送るエールは、「自分のために」「自分らしく」だ。

時代の潮目はすでに変わっている。既存社会が規定したガチガチの価値観、全体に奉仕する個という窮屈な関係性、所属社会で承認を得るために殺される個性、それらはすでに過去の遺物となり始めている。

そして、おじさん・おばさん達は、若い彼らにぶらさがるのでなく、彼らがフルに自分らしさを発揮できるように手助けをするべきだ。