うにゃにゃ通信

日本近現代史系公開めも書き

ほんとうに大事なことは、この国では話し合われない。

104歳の篠田桃紅さんが語る「デフォルトの日本人像」」で書いたように、この国は、「何とかなるさ」という考え方に支配されている。

何とかなるし、ダメなものはダメだから、どうしてもなんとかしようという気が起こらない。なりゆきまかせ。

日々、いろんなニュースが流れ、人々は、やれ芸能人の不倫がどうのと、他人のプライバシーをネタに世間話に花を咲かせたりしている。

ほんとうに大事なことはスルーされる。

例)とある非営利団体の年次総会での会計報告。収入よりも支出が多い。明らかに多い。持っている資金を取り崩している。数年経ったら回らなくなる。という報告がなされているにもかかわらず、総会はつつがなく進む。総会が終わったあと、各所でひそひそ話が始まる。おい、どうすんだ、と。

あれは衝撃的だったが、しかし、よくある景色を目にした気もした。

この国では、万事そうやって、危機的な状況を目の前にして、つつがなく物事が進行していく。事態から背を向け、自分は関係ないやと、日々の業務に逃避する。

昭和20年の終戦にいたる一年間も、この国はそうやって、すでに陥っている危機的状況を直面することなく、無為に過ごした。