うにゃにゃ通信

日本近現代史系公開めも書き

戦争の敗因:日本は、頑張ったから負けたのだ。

太平洋戦争で日本はなぜ負けたか。

まず、もともと勝てる戦争ではなかったとの意見はもっともだ。だが、戦争と外交を一体のものとみなせば(というか一体だ)、劣勢を承知のうえで戦略的に戦い、何らかの成果を得るという考え方もある。その戦略をもたないままに戦争に突入してしまったという面もあるだろう。

ともかく、戦争に突入してしまった日本が、南方資源を絶たれ、国民生活は困窮し、サイパンアメリカに取られ、空襲を雨あられのように浴び、沖縄戦で無数の悲劇を生み、原爆を投下され、ソ連侵攻を受けて敗北したのは、何故か。

それは、頑張ったから、である。

頑張りとは、究極的には(ちょっと乱暴に言うが)、自主的思考を放棄して集団の利益に奉仕する行為だ。日本軍の前線兵士たちは、頑張った。あまりに頑張ったので、戦略戦術を統括指揮する中央が、その頑張りに依存してしまった。前線兵士が頑張ることを前提に作戦を立てるものだから、補給を無視した苛烈な作戦になった。国内の日本人は、困窮によく耐えて、頑張った。あまりに頑張ったので、やはり中央は、その頑張りに依存してしまった。国民生活を犠牲にして戦争を続行した。

前線兵士が頑張らなければ、国民が頑張らなければ、あの無茶な戦争は、もっと早い時期に続行不可能となっていたはずだ。それをわかっていたからこそ、中央の政府・軍は、懸命に国民を鼓舞していたのだ。国民がもっと大胆に、兵器工場での労働をサボったりしていればよかったのだ(←一部の学生たちはそれをやっていた)。

国民が自主的思考を放棄したことが、いちばんの敗因だと思う。

参照:平和≒戦争:「戦争は絶対にダメ」は、逆に戦争へのエンジンとなりうる